1t超もその魅力は輝きを増すーー新型ロードスターは“小さな”変化で走りを“大きく”進化させた
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 27
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:市 健治 27
そしてもうひとつの進化は、「アシンメトリックLSD」の採用だ。
これは従来の円錐クラッチ型「スーパーLSD」をベースに、アクセルオン側/オフ側にカム機構を追加したリミテッドスリップデフである。
いわゆるアフターマーケットの機械式LSDと違うのは、イニシャルトルクが極めて低いこと。そのトルクは先代型スーパーLSD(49Nm)に対しておよそ半分強(26Nm)で、エンジン回転が低い駐車時の切り返しやUターン、交差点を曲がるような場面では、オープンデフのように運転ができる。もちろんバキバキとした作動音もなく、引きずり抵抗でクルマがガクガクすることもない。
そして肝心な走りでは、まずターンインでの安定性を高めてくれる。ブレーキング時(つまりアクセルオフ時)にリア荷重が減った状況からターンを始めても、デフロック方向の制御が強まって内輪差が少なくなり、挙動が安定するというわけだ。
対して加速時は、カム角を緩めに取ることで穏やかに駆動力を確保する。そもそもロードスターは内輪の接地性が高いため、必要以上にロック率を上げなくても、トラクションが得られるというわけだ。またリア外輪にトルクを一気に伝えないことで、ドリフトコントロールも穏やかになる。
ただ筆者には、アシンメトリックLSDの効果がハッキリとは体感できなかった。
その理由のひとつは、同時に「キネマティック・ポスチャー・コントロール」(KPC)が高い効果を発揮しているからだと思う。これは旋回時リア内輪に極めて弱いブレーキを掛けてリアのリフトを抑える制御で、LSD同様にターンインでの挙動が安定する。DSCオフでKPCの作動をキャンセルすると、後輪が路面に張り付くような感じが和らいだから、このふたつがセットなのだと思う。
さらに言うと感覚的には、新型の進化をフロントサス周りに感じるのだ。まるでダンパーやブッシュが変わったかのように、ハンドルを切ったときの接地感が高い。このハンドリングが、EPSの制御だけで得られているとは思えない。しかしLSDとKPCという、主に“後ろ側”の作用が影響しているのだとしたら、もっと驚きである。
>>ロードスターってどんな車? 価格やスペックはこちら
>>ロードスターの気になる点は? みんなの質問はこちら
>>ロードスターのユーザーレビュー・専門家の評価はこちら
>>ロードスターの中古車相場はこちら
>>乗り換え時はいくらに? ロードスターのリセール価格はこちら
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
自転車も違反によって「講習会」の受講命令が下る! バックレると「罰金」だった!!
スーパーGT第2戦富士、その舞台裏で起きていた車検違反の協議。お咎め無しの裁定に坂東代表が私見「規則の解釈に関しては話をすべきだが……」
【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「トヨタ・ヴィッツ」から全4問!
ピレリ、フェラーリとポール・リカールで2日間のタイヤテストを完了。2025年用コンパウンドや新ウエットタイヤを評価
スバル[BRZ]の一部改良モデルが生産終了! 間もなく毎年恒例の年次改良を発表か?
ヤマハ、カタルーニャGPに続き新エアロで走行。リンス、プラクティス2番手の要因は/第7戦イタリアGP
「紀伊半島ぐるり高速」の最南端でトンネル貫通! 未開通区間でも工事着々
クルマの「左寄せ」って危なくないですか? ギリギリで“接触”する危険もあるのではないでしょうか。 教習所で教わる「キープレフト」はどのような運転をすれば良いのでしょうか?
カモフラ柄の斬新なフェラーリは“破天荒な御曹司“の特注品! オークションに登場した「特別な跳ね馬」の気になる落札価格とは?
今こそ言いたい……「炭水化物、多すぎない!?」 MotoGPスペインGPへの道中で浮上した機内食のナゾ
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第8回】フェラーリのブランディング戦略
【MotoGP】マルク・マルケス、スタートさえ改善できれば優勝も近いと自信。イタリアファンからのブーイング減実感「ドゥカティに乗っているのが助けになった」
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?
BMW最小SUV「X1」に新グレード追加! 1.5Lの“sDrive18i”は最安の540万円
活気を取り戻すイタリア車。名門「ランチア」の“懐かし系”ニューモデルたちは日本に入ってくるか?